もどり場

後悔

あの時、ああしていれば。

人生には、
そんな一日がいくつもある。

言えなかった言葉。
選ばなかった道。

もう少し優しくできたかもしれない、
あの日の自分。

人は、 後悔を嫌う。

できることなら、

一つもない人生がいいと思う。

けれど私は、 本当にそうだろうかと思う。

後悔のない人は、

いるかもしれない。

でも、 後悔を知った人にしか見えない景色もある。

一度失ったから、 今あるものを大切にできる。
傷つけてしまったから、 次は言葉を選べる。
遠回りをしたから、 迷っている人を急かさずに済む。

後悔は、 昨日を書き換える力は持っていない。

けれど、 明日の自分を書き換える力なら、 持っている。

だから私は、

後悔を消したいとは思わない。
あの日の失敗も。
恥ずかしかった記憶も。
思い出すたびに胸が痛む出来事も。

それらは今も、 私の中で静かに生きている。

そして、 誰かに少しだけ優しくなれた日、 私は思う。

あの日は、 無駄ではなかったのだと。

後悔とは、

過去に残された傷ではない。

未来で誰かを傷つけないために、
自分が受け取った痛みなのかもしれない。

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