もどり場

未だ、麓の 私へ。

目の前に、大きな山がある。

仕事かもしれない。
お金かもしれない。
才能かもしれない。
人間関係かもしれない。

見上げるたびに、
「こんなの越えられるのか」と思う。

だから私たちは、
山が低くなる方法を探す。

楽な道はないか。
誰かが道を作ってくれないか。
明日になれば、少し小さくなっていないか。

でも残念ながら、
山はこっちの都合では低くならない。

なら、自分が高くなるしかない。

今日越えられなかったものを、
明日も越えられないとは限らない。

昔の自分なら泣いていたことを、
今なら笑って片付けられることがある。

問題が小さくなったんじゃない。

あなたが、
そこより高い場所まで来たんだ。

だから、
今どうしても越えられない山があってもいい。

その山の前で、
自分の小ささを知ってもいい。

ただし。

そこを、自分の限界だと決めるな。

山の高さは変えられなくても、
自分の立つ場所は変えられる。

一歩ずつ登ろう。

転んでもいい。
遠回りしてもいい。
途中で座り込んでもいい。

それでも、
昨日より少し高いところへ。

そして――

いつか頂に立とう。

そこから見れば、

全ての山が小さい。

――はずだ。

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