もどり場

正解は、後から作られる。

人は選択をするとき、
正解を知りたがる。

この仕事でいいのか。
この人でいいのか。
ここに残るのか。
出ていくのか。

誰かに聞く。
検索する。
成功した人の話を読む。

それで正解が分かるなら、
世の中に後悔なんてない。

他人の成功談ほど、
便利で役に立たないものもない。

その人は、その人の場所から歩いた。

持っているものも、
失ったものも、
耐えられるものも違う。

なのに私たちは、

他人がうまくいった道に
自分を押し込めようとする。

そして、うまくいかなければ、

「あっちを選べばよかった」

と言う。

不思議なものだ。

選ばなかった道には、
失敗がない。

嫌な上司もいない。
金に困る夜もない。
飽きた自分もいない。

当然だ。

そこには、自分が生きていない。

存在しなかった人生と、
現実を比べれば、

そりゃ現実が負ける。

だから、

選択を間違えないことに
あまり必死にならなくていい。

そんなことは、
選ぶ時点では分からない。

選んだあとに失敗するかもしれない。

後悔するかもしれない。

途中で、

「これは違った」

と気づくかもしれない。

そのときは、また選ぶ。

人間には幸い、
昨日の自分に従い続ける義務はない。

一度決めたことを変えない人が
強いわけでもない。

間違いを守り抜けば、
それは信念ではなく意地になる。

正解だったのか。

間違いだったのか。

そんなものは、

今日の選択だけを切り取っても
決められない。

十年後に笑っていれば、
間違いだった今日が
必要だったことになるかもしれない。

逆もある。

だから

それがいいかどうかは分からない。

大切なのは、
自分で選んだかどうかだ。

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